「ホドロフスキーのDUNE」が好評ですね/バンドデシネ「アンカル」
渋谷のアップリンクはじめ、各所で上映中の『ホドロフスキーのDUNE』がなかなか好評ですね。ホドロフスキーといえば「エル・トポ」と「ホーリーマウンテン」くらいしか観たことはないので、ドキュメンタリー観るほどでもないかなあ、と思っていたのですが、「ものづくりに携わっている人なら絶対にみるべき」というような感想もちらほら見かけて、ちょっと気になっています。いや別にものづくりに関わっているわけじゃないけど。
アップリンクがホドロフスキー新聞|THIS IS ALEJANDRO JODOROWSKYなるハイセンスなフリーペーパーを制作、配布するなど、こういったミニシアター系では珍しいくらいのPUSH感で、観ないといかんなあ、という気分にさせられます。
最近のこの世間でのホドロフスキー熱を受けて、なんとなくバンドデシネに手を付けてみました。バンドデシネとは、いわゆるフランスの漫画のことです。NAVERまとめでかなり分かりやすくバンドデシネがまとめられていたので、参考までに。
静かなブーム、海外マンガ『バンド・デシネ』の魅力【メビウス】
ジブリ配給でアニメ映画「しわ」が公開されていましたが、この作品、原作は海外のマンガで「バンド・デシネ」というカテゴリーに入る作品です。そして、注目すべきバンド・デシネ作品は「しわ」だけではありません!近年、邦訳ラッシュが続く「バンド・デシネ」とは何か?その基本を解説したまとめです。
更新日: 2014年06月11日
ホドロフスキーは映画監督だけでなく、バンドデシネの原作提供などもしております。有名なバンドデシネ作家であるメビウスとたびたび共作しており、なかでも一番の代表作はこの「アンカル」ではないでしょうか。
- 作者: アレハンドロ・ホドロフスキー,メビウス
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主人公はしがないR級ライセンス探偵(って何だ?)のジョン・ディフール。ある日、偶然に謎の生命体「アンカル」を手に入れたことにより、宇宙の命運を賭けた抗争に巻き込まれていくという壮大なストーリー。
とにかく冒頭部分がイカしてる。この画像は最初から2P目になりますが、主人公のジョン・ティファールが≪自殺通り≫にて謎の覆面集団に襲われ、街の底にある酸の海に落とされたところ(その後、ポリスたちに救助されます)。わたしはとにかくこの2P目のかっちょよさにがーんと衝撃を受けました。
退廃的な近未来の世界観はまるでブレードランナーやマイノリティ・リポートなどディック映画のようであり、機械や建物の緻密な書き込みはまるで大友克洋のようであり、物語が最後に「宇宙の真理」にたどり着くところなんかは手塚治虫の『火の鳥』のようでもあります。つまり、とってもおもしろいってことです。
ちなみに『アンカル』は本国フランスで1981年、最初の邦訳が1986年なので、スターウォーズより新しく、ブレードランナーよりちょっと古い、『AKIRA』とはちょうど同時期くらい、といった辺りになりますね。
ちなみに、スピンオフも出てて、これがまた重厚なんだ。
- 作者: アレハンドロ・ホドロフスキー,フアン・ヒメネス,原正人
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バンドデシネというと、日本だとサブカル扱いされがちのジャンルですが、新世紀エヴァンゲリオンなんかがメジャー扱いされるような世の中なんだからもっと受容されてもいいのに、と思ったり…。もともとの漫画文化が根強いのであまり輸入ものって受け入れられないものなのかも。わたしももっと読みたいと思うのですが、邦訳には時間がかかるし、翻訳されないものの方が圧倒的に多いし、値段も高かったりするので、なかなか思い通りにいかないのが歯がゆいところです。
ちなみに今むしょうに読みたいけど中古しかなくて悲しい「シェヘラザード」(スペイン)。
シェヘラザード ~千夜一夜物語~ (ShoPro Books)
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